りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

スローモーション(佐藤多佳子)

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なんだかよくわからない小説でした。女子高の1年生である柿本千佐が、不自然なほどにスローな動きをする変わり者の同級生・及川周子と理解しあう物語・・なのでしょうか?

父親はマジメな小学校教師、母親はお見合いでバツイチ男と結婚した心配性の専業主婦という千佐の家庭には、困り者の異父兄がいました。不良時代に白バイに追われてトラックにぶつかって以来、足をちょっと引きずって歩くようになってしまった兄は、22歳になっても無職のまま。ほかの元不良仲間のように、就職して働くでもなく、本格的な不良の道を歩むでもなく、中途半端なんですね。

そんな兄が家出した先は、一人暮らしをする及川周子の部屋。彼女にもまた家族の秘密があり、スローモーションな動作にも理由があったのです。気遣い、嫉妬、イライラ、共感、閉塞感・・。自分の気持ちとも折り合いがつけられないのに、家族や周囲の出来事に振り回されてしまう思春期の少女たちの気持ちを切り取った作品・・だったのでしょうか?

2013/4