りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

禁猟区(乃南アサ)

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凍える牙に始まる女性刑事・音道貴子シリーズの著者による新しい警察小説の主人公は、「女性監察官」すなわち犯罪に手を染めた警察官を捜査する組織に転属された沼尻いくみでした。しかし、いくみ自身が被害者となる最後の短編も含んで、新の主人公は、ふとしたことから「禁猟区」に足を踏み入れ、犯罪に手を染めてしまった普通の警察官たちのようです。

「禁猟区」 ホストクラブにはまって借金を抱えてしまった少女を救った女性警官は、親から謝礼をもらったことで、それを副業として始めてしまいます。しかも彼女自身、若いホストに入れあげてしまうことになるとは・・。

「免疫力」 我が子の難病を治した薬を、やはり姪が難病にかかっているヤクザの親分に紹介した刑事の期待は、恩義を感じたヤクザが組の解散を決意するのではないかということでした。まさかその薬が組の新しい資金源になり、彼自身が宣伝に利用されることになるとは思わずに・・。

秋霖 時効直前の殺人事件の犯人と確信した男を逮捕するために、証拠品の偽造を思い立ったベテラン刑事。やはりその男が犯人だったのですが・・。しかしこの刑事、若い部下に罪をなすりつけようとしたりして人格的にも大いに問題ありです。

「見つめないで」 監察官の沼尻の住むマンションに、ストーカーから嫌がらせが続きます。犯人は昔付き合っていた元刑事なのでしょうか。監察官の仲間たちが真相を暴きにかかります。


2013/7