りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

プリズン・ストーリーズ(ジェフリー・アーチャー)

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スキャンダルで上院議員を辞任し、その後偽証罪によって2年間の服役経験がある著者が、獄中で出会った人たちの話をネタにした短編集。実名が記されている話もあって、いわばイギリス版の『塀の中の懲りない面々』なのですが、どこまでが実話なのでしょうか。

1.自分の郵便局から盗んだ男
堅実に働いて郵便局を手に入れた夫妻が政府に騙されたと知り、政府から投資を回収するために行った犯罪とは? (注:民営化の進んだイギリスでは、郵便局は個人経営事業なのです)

2.マエストロ
大繁盛のイタリア料理店主のマリオはどうして税金をほとんど納めていないのか?

3.この水は飲めません
決して飲んではいけないロシアのホテルの水を妻に飲ませた男の運命は?

4.もう十月?
毎年10月になると軽犯罪を犯して刑務所で年越しをする習慣の男は、今年はどうするのか? こんな話、オー・ヘンリーにもあったような・・。

5.ザ・レッド・キング
高価な明朝のチェスセットの最後のひとつの駒を手に入れたいと願う2人の貴族の兄弟の間で荒稼ぎをしようとした男の末路は?

6.ソロモンの知恵
悪女に騙され、離婚訴訟で全財産を巻き上げられようとしている男を救った大岡裁き

7.この意味、わかるだろ
トラックを使った密輸をやめられない男の懲りない物語。

8.慈善は家庭に始まる
慈善事業好きの女性と、誠実な会計士の男性が組むと、いったい何が起きるのか?

9.アリバイ
恋人の裏切りを知った男が、どうやって服役中に恋人と愛人を殺害できたのか?

10.あるギリシア悲劇
ギリシアの富豪の姪の結婚式で起きてしまった悲劇とは?

11.警察長官
犯罪者の更正に努める警察長官の発言を利用して警察署に就職した男が強請りをしたら、警察長官はどうしたらいい?

12.あばたもエクボ
ハンサムな元サッカー選手が、デブ女と結婚したのはお金と地位のため?

テイストはどれも「オー・ヘンリー」ですね。どれも軽い話で、読んだ後からすぐに忘れてしまいそうなくらい。^^;

2008/7