「恋愛小説」ではなく「変愛小説」ですので、ご注意ください。確かにだいぶ変わった恋愛がテーマで、タイトルやテーマで引いてしまう人もいるのではないかと心配になってしまいます。(実際に引いた話もありました)
でも編者も言っている通り、設定や対象が「変」であっても、そこに描かれている感情は、多くの場合非常にピュアなんですね。昨今流行している、人生経験の少ない子どもたちによる「純愛ストーリー」とはひと味もふた味も違う、一途な恋愛をお楽しみください。
1.五月(アリ・スミス)
真っ白な花をいっぱいにつけた木に恋してしまった女性(だと思う)の話。そっと見守ってあげたくなります。
真っ白な花をいっぱいにつけた木に恋してしまった女性(だと思う)の話。そっと見守ってあげたくなります。
3.セーター(レイ・ヴィクサヴィッチ)
彼女の手編みのセーターを着ようとする最中に、セーターの中に広がる小宇宙。では、テーブルの下にはどんな世界が広がっているのでしょう。
彼女の手編みのセーターを着ようとする最中に、セーターの中に広がる小宇宙。では、テーブルの下にはどんな世界が広がっているのでしょう。
4.まる呑み(ジュリア・スラヴィン)
愛人を丸呑みしてしまった女性。身体の中から感じるエロティシズムはちょっと迷惑?
愛人を丸呑みしてしまった女性。身体の中から感じるエロティシズムはちょっと迷惑?
7.リアル・ドール(A・M・ホームズ)
バービー人形に恋してしまった男性の話はソクッとするほどエロティック。バービーを虐待する妹の存在も不気味。
バービー人形に恋してしまった男性の話はソクッとするほどエロティック。バービーを虐待する妹の存在も不気味。
8.獣(モーリーン・F・マクヒュー)
雨宿りする父娘の前に現れた不思議な獣はどこに行った?
雨宿りする父娘の前に現れた不思議な獣はどこに行った?
このメンバーの中では、『空中スキップ』のジュディ・バドニッツが普通に思えてしまいます(笑)。でもこの中で一番好きなのは彼女の「母たちの島」。これは「変愛」を超えた物語として読まれるべきなのでしょう。次に好きな作品は「五月」です。
2008/7