りぼんの読書ノート

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スターウォーズ:偽りの仮面(ジェームズ・ルシーノ)

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『闇の狩人』が「エピソード1」の登場人物を紹介する話なら、こちらは「エピソード1」の社会的背景を説明するストーリー。トレード・フェデレーションは、どうして暗黒卿ダース・シディアスにつけこまれるようなことになったのか、どうしてナブー封鎖やナブー戦争を起こす必要があったのか、これを読んでようやく理解できました。

トレード・フェデレーションというのは、単なる経済組織ではなくて、交易を通じて銀河の辺境を支配する存在だったんですね。「東インド会社」が、「植民地の統治機構」だったことを想定するとわかり安いかもしれません。彼らは、辺境星系で暴利をむさぼり、さらには、必然的に起こる反乱を鎮圧するために、密かに軍備を増強していたのです。

「銀河の未来を憂う」パルパティーンは、元老院議長ヴァローラムと、トレード・フェデレーションの双方に問題解決のシナリオを吹き込みます。もちろん、両者に対する提案は相容れるものではなく、元老院とトレード・フェデレーションは対立、ナブー封鎖に至ってしまうのですが、これは、その後のナブー戦争、さらにはクローン戦争を経て、「共和国崩壊・ジェダイ壊滅・パルパティーンすなわち暗黒卿ダース・シディアスの支配」へと通じる道。

危機の中、ジェダイ評議会やジェダイ騎士団はどう行動したのか? これが、見事にあやつられちゃうんですねぇ。あまりにも孤高の存在でありすぎて、組織が形骸化しているのです。でも、そのくらいで壊滅するようなジェダイではありませんよね。どうして、銀河共和国とジェダイが崩壊してしまうのかは、この夏に公開される「エピソード3」を見てのお楽しみでしょう。May the Forth be with you!

2005/3