りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2019/5 郝景芳短篇集(ハオ・ジンファン)

7年近い大阪生活を終えて、東京に戻ってきました。正しくは千葉ですけれど。吹田市の図書館にはたいへんお世話になりました。あらためて浦安市の図書館にお世話になります。リアルの引越しも大変でしたが、ブログの引越しをどうしたらよいか、まだ悩んでいます。 
 
1.郝景芳短篇集(ハオ・ジンファン)
ケン・リュウ編の現代中国SFアンソロジー『折りたたみ北京』の表題作の著者による短編集です。中国の現実や伝説をモチーフにした作品であっても、視点は人類普遍のものであり、視覚的なイメージも素晴らしいのです。

 

2.ピアノ・レッスン(アリス・マンロー)
短編の名手としてノーベル文学賞を受賞した著者が、1968年に出版したデビュー短編集です。平凡な人生の中で光り輝く一瞬を切り取る「作家の視点」は既に完成されています。著者の自伝的エピソードが多く含まれている点も興味深いもの。50年前の作品が、まったく色褪せていないことにも驚かされます。

 

3.書店主フィクリーのものがたり(ガブリエル・ゼヴィン)
妻を失って偏屈になった書店主の心を、書店に捨てられていた孤児が癒していきます。子供の世話を手伝うために書店に通う人たちも本好きになっていく中で、やがて成長した少女は小説家を目指します。「人は孤島ではない」というメッセージを含むハートウォーミングな物語ですが、物語の中核には常に小説があるのです。