不思議系ＳＦ少女の空を中心に、ノンフィクション命の武人、大阪弁熱血部長の聡、キュート下級生男子の銀、サイエンス系美少女の明日香、ハーフ腐女子のミーナらが活躍する、「ＢＩＳ」こと「美心国際学園」の「ビブリオバトル部シリーズ」第４作です。このシリーズを読むと「若い人たちに読書の素晴らしさを伝えたい」という著者の切実な想いを感じますね。
さて『前巻』で同性への愛を訴えた寿美歌と明日香に触発され、空への想いを告白した銀は、ぎこちない交際を始めます。一方で空への気持ちに気付いた武人は、銀と決着をつけようとするのですが、年齢も体格も異なる２人が対等に戦えるものといったら、ビブリオバトルしかありませんよね。
いきなりモテ期に入ってしまった空ちゃんですが、自由な校風のＢＩＳに入学する前の中学では、相当きついイジメにあってきたようです。武と銀は、空ひとりをターゲットとする本の紹介をはじめるのですが、空は２人に言い切るのです。「決着は、私がつけます」と。誰も悲しませることなく、典型的な三角関係を解く方程式など存在するのでしょうか。かなり意外な展開ですが、それもありかな・・ということで。
今回、空が発表した作品は『ゲームウゥーズ（アーネスト・クライン）』でした。スピルバーグが「レディ・プレイヤー１」として映画化した作品です。面白そうですが、近所の図書館にないんですよね。本巻のラストで、圧倒的な強さで千葉県のバトルを勝ち抜いたＳＦ少女が登場。次巻では空と対決するのでしょうか。むしろ、大の親友になってしまうのではないかと思いますけれど。
2018/7
