りぼんの読書ノート

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天切り松読本(浅田次郎)

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四半世紀に渡って書き続けられている人気シリーズの第5巻ライムライトの発売を記念して出版された「公式読本」です。第4巻出版後に編まれた「読本」のリニューアル版ですね。

このシリーズが、著者の処女作であり「一番の兄貴分」とは知りませんでした。出版されたのは、『きんぴか』、『プリズンホテル』、『地下鉄に乗って』などより後でしたので。はじめは短編2作まで雑誌に載ったところで、連載中止になってしまったそうです。

本書には、物語の舞台となった明治半ばから大戦直前までの帝都東京の風景や、当時の世相、魅力的な登場人物たちのプロフィールを写真と図版で紹介するコーナーのほか、物語の舞台を著者と歩く特別企画、語り下ろしインタビューなどが含まれています。「天切り松グルメ案内」では、今も営業を続けている老舗が多いことに驚かされました。

ただ一番ありがたかったのは、全5巻の全作品の紹介をそれぞれ1ページにまとめてくれた「既刊全あらすじ」でした。だいぶ忘れていましたので。既刊本のタイトルは、『第1巻:闇の花道』、『第2巻:残侠』、『第3巻:「初湯千両』、『第4巻:昭和侠盗伝』、『第5巻:ライムライト』です。

2015/12