りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

3時のアッコちゃん(柚木麻子)

イメージ 1

ランチのアッコちゃんの続編です。美味しそうな料理を小道具に使って、働く女性たちが一歩を踏み出す姿を描いた連作短編集。はじめの2作では主役級の活躍をするアッコちゃんが、あとの2作ではカメオ出演程度なのも、前作と同様です。

「3時のアッコちゃん」
前作でアッコさんに助けられ、仕事に意欲を持つようになった三智子が再登場。転職先で結論の出ない会議に嫌気がさしていたところ、イギリスでティーについて学んできたというアッコさんに再び助けられます。次の部内会議の際には、ちゃんとしたお菓子でも出してみようか。^^

「メトロのアッコちゃん」
ブラック企業で落ち込んでいた明海に地下鉄のホームで声をかけてきたのは、「東京ポトフ&スムージー」の移動販売をしていたアッコさん。野菜たっぷりスムージーを強引に飲まされた明海は、元気と反発心を取り戻していきます。「朝食をちゃんと食べたって、人生は簡単には変わらないけれど、誰かの役に立つ仕事がしたい」という気持ちは大切です。

「シュシュと猪」
神戸に転勤してきたキャリアガールは、関西と関東の違いに戸惑うばかり。なぜか六甲山を降りてきたイノシシに追い回された結果、お遊び気分でシュシュ店を経営しているお気楽お嬢さんたちにアドバイスをする羽目になってしまいます。でも、どこでも大切なのは、人と人との関係なんですね。

「梅田駅アンダーワールド
東京の就職試験に全敗して、大阪まで試験を受けに来た女子大生が、迷路のような梅田地下街で迷って遅刻してしまいます。落ち込んで、やけ食いしそうになったり、同じく迷っている女性を助けたりしていると、突然男性から声をかけられるのですが・・。梅田の地下街は、大阪に住んでいる人でも迷えると思います。

アッコさんのお店が、いつの間にか東京の人気店になって、全国展開しているというのは、予想外でした。でも、アッコさんのような人に背中を押して欲しい女性は、全国どこにでもいるんですよね。梅田ホワイティのお店をじっくり探していくと、アッコさんのお店があったりして。^^

2015/12