「本」をテーマにしたアンソロジーです。時には、こういう本で素晴らしさを知る作家もいるのですが・・。
中山七里「『馬および他の動物』の冒険」
ある本が古書店から盗まれた背景には、別の犯罪がありました。その本の貴重さを知っていたが故に、燃やして証拠隠滅できなかったことが、犯人の敗因でした。語り手は、ダ・ヴィンチの素描集である「本」自身です。
ある本が古書店から盗まれた背景には、別の犯罪がありました。その本の貴重さを知っていたが故に、燃やして証拠隠滅できなかったことが、犯人の敗因でした。語り手は、ダ・ヴィンチの素描集である「本」自身です。
雀野日名子「僕たちの焚書まつり」
紙の本が消滅して電子書籍コンテンツになった時代。駄本をプリントして焚書しようとする少年たちの前に現れたのは、出版関係者たちの亡霊でした。駄本を作った責任をなすりつけあっているのですが、やはり彼らは「紙の本」を作りたがっているのですね。
紙の本が消滅して電子書籍コンテンツになった時代。駄本をプリントして焚書しようとする少年たちの前に現れたのは、出版関係者たちの亡霊でした。駄本を作った責任をなすりつけあっているのですが、やはり彼らは「紙の本」を作りたがっているのですね。
雪舟えま「トリィ&ニニギ輸送社とファナ・デザイン」
おんぼろ宇宙船で、貴重な本の運送を頼まれた母子。途中で立ち寄った星の不思議な森で、魂を抜かれてしまった宇宙船を再び飛び立たせたのは、積み荷であった「本たちの意識」でした。愛についての本は、息子ニニギと、依頼主ファナとの恋の予感?
おんぼろ宇宙船で、貴重な本の運送を頼まれた母子。途中で立ち寄った星の不思議な森で、魂を抜かれてしまった宇宙船を再び飛び立たせたのは、積み荷であった「本たちの意識」でした。愛についての本は、息子ニニギと、依頼主ファナとの恋の予感?
2015/3