「冬の夢」
やはりこの作品がベストですね。奔放で残酷な美女ジュディーに翻弄された青年デクスターが、美しさを失ったあとの彼女の境遇を聞いて心の痛みを感じる物語。デクスターはギャツビーと異なって破滅してはいませんが、その分、失ったものを冷静に評価しているようです。青春の痛みも、盲目的な恋も、若き日の歓びとともに色褪せ、消えていくのです。
やはりこの作品がベストですね。奔放で残酷な美女ジュディーに翻弄された青年デクスターが、美しさを失ったあとの彼女の境遇を聞いて心の痛みを感じる物語。デクスターはギャツビーと異なって破滅してはいませんが、その分、失ったものを冷静に評価しているようです。青春の痛みも、盲目的な恋も、若き日の歓びとともに色褪せ、消えていくのです。
「メイデー」
著者には珍しい群像劇です。第1次世界大戦終結直後のメイデーの夜を舞台に、青年たちの運命が交差していきます。成功を手にしつつあるイェール卒業生。悪女につかまって人生をドブに捨てた同級生。奔放な美女に翻弄される青年。パーティーを渡り歩く男たち。帰国して除隊したものの、行き場のない元兵士たち・・。一夜のばか騒ぎの後で、複数の悲劇が起こります。
著者には珍しい群像劇です。第1次世界大戦終結直後のメイデーの夜を舞台に、青年たちの運命が交差していきます。成功を手にしつつあるイェール卒業生。悪女につかまって人生をドブに捨てた同級生。奔放な美女に翻弄される青年。パーティーを渡り歩く男たち。帰国して除隊したものの、行き場のない元兵士たち・・。一夜のばか騒ぎの後で、複数の悲劇が起こります。
「罪の赦し」
もともと「ギャツビーのプロローグ」として書かれた作品であり、本書のルドルフは、少年時代のギャツビーの原型とのこと。彼の感じる罪悪感とは、自分の心に正直になれないことなのか。自分の心に潜む邪悪さに気づいてしまったことなのか。いずれにしても神父に許してもらえる性質のものではないのです。
もともと「ギャツビーのプロローグ」として書かれた作品であり、本書のルドルフは、少年時代のギャツビーの原型とのこと。彼の感じる罪悪感とは、自分の心に正直になれないことなのか。自分の心に潜む邪悪さに気づいてしまったことなのか。いずれにしても神父に許してもらえる性質のものではないのです。
「リッツくらい大きなダイアモンド」
これはぶっ飛んだ作品です。地図にないロッキー山中で、ダイアモンドの巨岩の上に独立帝国を築いたワシントンの末裔の一族。そこに招かれた青年は、生きては戻れないはずだったのですが・・。ラストはアクション大作のようです。
これはぶっ飛んだ作品です。地図にないロッキー山中で、ダイアモンドの巨岩の上に独立帝国を築いたワシントンの末裔の一族。そこに招かれた青年は、生きては戻れないはずだったのですが・・。ラストはアクション大作のようです。
若いころ読んだ『ギャツビー』は全くいいとは思えませんでしたが、フィッツジェラルドの作品の素晴らしさは、ある年齢に達しないと評価できないものかもしれません。本人がこれらの作品を書いたのは20代なんですけどね。『ギャツビー』ですら30歳の時の作品なのです。
2014/11