友人の連帯保証人になったことから莫大な借金を抱えてしまった、印刷工場経営者の笠井。苛烈な取立ての前に万策尽きて、工場は売却、妻子は離縁して逃亡中。ふと降り立った駅で、首でもくくろうかと無人の寺に泊まったところから運命が変わっていきます。
寺の檀家である駅前商店街の店主たちから、新しい住職と間違えられてしまうのです。しかし不思議なのは、誰もが「ポックリ逝かせてほしい」と懇願すること。シャッター通りと化してしまった駅前商店街の老店主たちは、もう生きていても仕方ないと言うのです。冷や汗をかきながら偽のお経を唱えたあとで、まだ店を閉めていない喫茶店主に、「コーヒーを100円に値下げせよ」と思いつきでアドバイスするのですが・・。
1955年版の主人公は経営不振の雑貨屋を手伝い、1989年版の主人公は偽神父に成りすますのですが、
両方を融合させてしまったような展開ですね。偽坊主の思いつきアドバイスはうまくいくのでしょうか。そして、笠井の借金はどうなってしまうのでしょうか。
両方を融合させてしまったような展開ですね。偽坊主の思いつきアドバイスはうまくいくのでしょうか。そして、笠井の借金はどうなってしまうのでしょうか。
あまりヒネリはなかったものの、楽しい作品でした。読後感が爽やかなのがいいですね。
2014/9