りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

オイレンシュピーゲル参(冲方丁)

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シリーズ第3巻は、ミリオポリス警察組織・遊撃小隊ケルベロスの3人の特甲少女のエピソードを描く3つの短編からなっています。

「吹雪との思い出」
スパイプログラムに脳を侵されたMPBの通信解析官の吹雪を救出するために奮闘する黒犬・涼月。いい関係になりそうな2人のムードとは裏腹に、特甲レベル3の転送のリスクとか、記憶を喪失させる人格改変とか、初出撃で失われた2人の特甲児童「蛍と皇」の存在とか、この後の展開に関わってくるきな臭い話が登場してきます。

「古い子猫のぬいぐるみ」
子猫のぬいぐるみの贈り主を探していくうちに、孤独な戦闘に巻き込まれてしまう赤犬・陽炎。武器商人のマネーロンダリングの秘密に関わってしまったのです。ぬいぐるみに隠された秘密というのは、映画「暗くなるまで待って」と同じ発想ですね。

「バイオリン弾きの少年」
1人で1軍団レベルの能力を持つレベル3の特甲猟兵・白露が登場。神経症と感情喪失の果てにイラクの戦場から脱走して、武器商人プリンチップと関わるようになっています。プラーター公園で偶然出会った白犬・夕霧とデートを重ねていたように思えたのですが・・。

これらのエピソードで明らかになったことは、このシリーズのとりあえずの締めくくりとなる第4巻へと続いていきます。

2014/9