『あぽやん』の続編になります。
空港（airport）を略してＡＰＯ。旅行会社の空港要員として、出発直前のツアー客に対して水際であらゆるトラブルに対応する役割を担う者たちが「あぽやん」です。成田空港勤務２年めを迎えた主人公・遠藤慶太は、まだ成長過程です。
就職氷河期に日本で就職ができずに海外に仕事を求めた、グアム支店採用の日本人スタッフの枝元が成田に着任。遠藤は、彼をスーパーバイザーに育てる教育係を負かされますが、とにかく使えないんですね。きちんと社内教育を受けていない世代は大変なのです。
そんな中、テロリストと同名の男が登場するという情報が入ったり、出産予定日をごまかして登場しようとした女性が臨月を迎えたり、あいかわらず女性センダーたちの扱いは難しかったり、台風直撃で空港がてんやわんやになったりして、苦労は尽きません。それでも枝元がようやく一人前になりつつあるのに、親会社の航空会社の再建策の一環として、成田空港所廃止の方針が出されます。枝元の将来のためにも早期退職を促すべきとの結論が出されるのですが・・。
「どうせあと１年」という声が溢れるなかで、遠藤が密かに思いを寄せる同僚の森尾との関係はどうなってしまうのでしょう。大銀行の実力者の娘が遠藤を見初めるという「事件」が起き、周囲が遠藤に期待する声が高まるのですが、そんな公私混同はありえませんよね。遠藤と森尾は結ばれるのか、成田空港所はどうなってしまうのか、はっきりしない形で本書は終わりますが、転職して「続編」というのもあるのかも・・。
2014/2
