りぼんの読書ノート

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機龍警察(月村了衛)

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機甲兵装というパワードスーツが警察にも配備されるようになっている、近未来の日本。しかし軍用兵装とは性能の差が大きいため、警視庁は特捜部を創設して、龍騎兵と呼ばれる新型機を導入し、その搭乗員として3人の傭兵と契約。そんな折に、3機の密造機甲兵装をまとった犯人たちが地下鉄駅に立て籠もる事件が発生します。

本書では、その事件に端を発する巨大な陰謀や、特捜部と一般警察との政治的な対立や、3人の傭兵の過去や、パワードスーツたちの戦闘シーンが描かれていきます。しかし、一冊の本にさまざまなことを詰め込もうとして、散漫になってしまった印象が濃いですね。ただしこの着想は一部の人気を得たようで、シリーズ化されました。本書で描き切れなかった部分は、続編でフォローされるのでしょう。

もし続編を読む機会があれば・・ということで、主な登場人物だけでも紹介しておきましょう。特捜部部長は元外務官僚の沖津旬一郎。副官的な存在として、沖津に心酔している城木貴彦と、お目付け役として送り込まれた宮近浩二という2人の警視。3人の傭兵は、フリーランスの傭兵である姿俊之と、モスクワの警察官であったユーリ・オズノフと、元IRFのテロリストであったライザ・ラードナーで、皆それぞれにワケアリの模様。他には、特捜部の捜査主任である由起谷志郎と夏川大悟。パワードスーツの整備を行う技術主任の鈴石緑らです。

2018/9