りぼんの読書ノート

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ケイン・クロニクル 炎の魔術師たち 1(リック・リオーダン)

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ケイン・クロニクル3部作に続く、新たなシリーズが始まりました。

エジプト考古学者を両親に持つカーターとセイディの兄妹は、古代ファラオの血を引く最強の魔術師でした。古代エジプト神のホルスとイシスと一体化して邪悪神セトを倒したものの、真の敵は、ラーの封印を解いて現代に蘇ろうとしている凶悪な混沌神アペプであることがわかります。アペプの復活を阻止しようとして亡くなった両親の跡を継ぐべく、世界中の若き魔術師たちの力を結集しようと呼びかけたところまでが前シリーズ。

兄妹の呼びかけに応えて、呪文に優れた少年や癒しの力を持つ少女など、新しい仲間たちが集まっています。しかしアペプを倒すには、長い眠りについている太陽神ラーの力が必要なのです。ラーを目覚めさせるために「ラーの書」を手に入れようとする兄妹たちに、新たな試練が襲い掛かります。

ひとつは、神々の復活を阻止する使命を負っている魔術師集団「生命の家」。前シリーズで兄妹を敵視した長老デネルジャンは彼らの使命を理解しつつあるようですが、新たに登場したロシア人魔術師ウラジミールは頑なです。彼はすでにアペプの影響を受けているのでしょうか。そして行方の知れないジルはどうしているのでしょうか。

もうひとつは、ラーの復活を喜ばない神々の存在。必ずしもホルスやイシスの味方ばかりではないんですね。あろうことか兄妹の祖父母の身体を乗っ取ったハゲワシ神とヒヒ神に、ロンドン中を追いまわされるセイディでしたが、彼女を救ったのはタクシー運転手の姿をした小人神でした。カーターとセイディは、「ラーの書」が秘蔵されているという、魔術師ウラジミールの待つエルミタージュへと向かうのですが・・。

ギリシャ神話を下敷きにしたパーシー・ジャクソン・シリーズと同様に、良くできたジェットコースター・ストーリーです。はじめは『ハリー・ポッター』の二番煎じかとも思ったのですが、古代神のキャラと魅力がうまく使われていますね。児童書に分類されているのが惜しいシリーズです。

2014/1