りぼんの読書ノート

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ケイン・クロニクル 2.ファラオの血統(リック・リオーダン)

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カーターとセイディの兄妹を追う魔術師集団の最長老イスカンダルは、謎めいた言葉を残して逝去してしまいます。兄妹の両親が「生命の家」の掟を破って古代神を召喚した背景には、母ルビーの予言があったというのですが、秘密を握っていたのはやはり猫神のバステトでした。

強大な力を持っていた古代エジプト王のラーが、人類の最大の敵である、蛇姿の混沌の化身アペプとともに封じ込めた相手が、蛇の天敵である猫神バステトだったんですね。両者に永遠の対決を繰り返させることによって復活を阻止しようとしたのです。

兄妹の母親ルビーの予知とは、両者の戦いに終わりが近づいており、バテストが敗れて混沌アペプが復活するというものでした。それを阻止するために魔術師の誓いを破って古代神オシリスやイシスを蘇らせようとした際に、悪神セトも召喚してしまったという次第。しかしこうなると、真の敵はセトではありませんね。

しかしまず、父親を閉じ込めたセトと対決しなくてはなりません。不死鳥の都フェニックスで復活を図るセトを破る魔術を求めて兄妹は、知識の神トトが大学教授として暮らしているメンフィスへと向かいます。待ち合わせた著名な魔術師の墓とは、プレスリーの墓のこと。

ところで古代エジプト神たちが人間界に現れるには、人間を宿主とする必要があるとのこと。普通の人間が神々の宿主となると命を燃え尽きさせてしまうため、古代エジプト王には短命な者も多かったというのですが。カーターに宿るのはかつてセトを倒したホルス、セイディに宿るのはイシスなのですが、2人は自意識を保ちながら神々を上手にコントロールしているようです。

2013/6