りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ケイン・クロニクル 1.灼熱のピラミッド(リック・リオーダン)

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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々の著者による、エジプト神シリーズです。児童書の扱いですが、なかなか読み応えがありました。

カーターとセイディの兄妹の母ルビーは6年前に謎の死を遂げ、今度は考古学者の父ジュリアスが大英博物館ロゼッタ・ストーンを破壊して行方不明に。ジュリアスは、古代エジプト神であるオシリスを召喚しようとして失敗し、邪神セトを呼び出してしまったのです。

実はこの兄妹は古代ファラオの血を引いていたのですが、家族の絆を取り戻そうとする2人の前に立ちはだかったのは、魔術師集団「生命の家」でした。人間社会の平和を保つために神々を封じ込めておくのが魔術師たちの役割なのですが、両親はその一員であったにもかかわらず、掟を破って災いをもたらしたというのです。両親が遺してくれた猫神バステトが兄妹を守るのですが、彼女には2人に打ち明けられない秘密があるようです。魔術師集団から追われつつ、邪神セトを追う2人の運命は?

ギリシャ神の次はエジプト神ですか。やはり多神教の世界ですね。多彩なキャラを持つ神々の存在が、物語に奥行きを与えるのでしょう。が出ませんね。象形文字が実体化するとか、世界各地に移設されたオベリスクがポータルスポットの役割を担うとか、よく考えたものです。兄弟が交互に語る、オシリスとイシス伝説を下敷きにした冒険譚は、どこに行き着くのでしょう。

2013/6