りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ケイン・クロニクル 3.最強の魔術師(リック・リオーダン)

イメージ 1

カーターとセイディの兄妹は、フェニックスに築いた巨大ピラミッドで復活を果たそうとするセトとの対決に臨みます。2人を追う「生者の家」の魔術師たちも次々と集結。カーターが心を寄せる「正者の家」の書記・ジルも2人の敵なのでしょうか。また兄妹の叔父エイモスは、セトの宿主になってしまったのでしょうか。

兄妹は、彼らを宿主とするホルスやイシスと一体化して意識を譲り渡してしまうことを拒みますが、自力でセトを倒すことはできるのでしょうか。でも、真の敵が混沌アペプであることを忘れてはいけません。アペプを倒すためには、本来はオシリスやイシスの兄弟であるセトの力も必要だというのです。

物語は第3巻で一応の決着をみますが、続編も出ているとのこと。アペプとの戦いは始まってもいないのですから。混沌の大蛇アペプと戦うためにはファラオの血を引き、神々と共闘する者たちを結集させなくてはならない・・というと、ギリシャの神々と人間とのハーフたちが結集するパーシー・ジャクソンとオリンポスの神々と似てきましたね。

ギリシャもエジプトも古代の神々はキャラが立っていますから、物語が生き生きとしています。しかし神々は不死の存在である一方、独創性には恵まれていないようで、どの時代でも同じパターンを繰り返してしまうようです。仏教やヒンズー教神道でも、神話は物語とキャラの宝庫ですから、著者の次のターゲットになるかも?

ところでセイディが、セトを倒すために冥界の神アヌビスから手に入れたものは真実の羽、嘘をついた途端に身体が滅びてしまうという物騒な代物。こんなものを持ち続けるのは厳しそうです。

2013/6