りぼんの読書ノート

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怪魚ウモッカ格闘記(高野秀行)

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コンゴの幻獣『ムベンベ』やトルコの怪獣ジャナワールなどの捜索をしてきた「未確認未知動物探検家」の次のターゲットはインド発の怪魚情報でした。「モッカ」というハンドルネームの日本人によって目撃された魚だから「魚+モッカ」=「ウモッカ」。現地の漁師たちが、世界に知られていない怪魚をなんとカレーにして食べているというのです。

ルールなし。時間制限なし。目撃者であるモッカさんや生物の専門家に話を聞き、現地漁民が孤立カーストであり人為的秘境を形成している可能性を推測し、「実在すれば新種」であり「もしかすると進化論を書き換えるほどの大発見かもしれない」との感触を得て行動開始。現地語を学習し、捕獲した場合の移送ルートや鑑定者を確保し、パートナーを探し出し、ビザを取得して、いざインドへ!

しかし、インドは甘くなかったのです。諸々の事情から「ターミナルマン」となり、「極秘潜伏生活」を余儀なくされ、ついには「ショッカーのボス」や「天馬博士」にならざるをえないという謎めいた冒険の末に、たどりついた結末とは・・。もちろん「結果」を期待してはいけません。冒険も探検も、未知なるものに挑む意志と過程が重要なのです。

2013/11