りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

なぜ、ぼくのパソコンは壊れたのか?(マイナク・ダル)

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インターネットを探して(アンドリュー・ブルーム)のような、ネット社会の背景に迫るような本ではありませんでした。ビジネスマンの生き方を見つめ直すきっかけを与えることをテーマとした作品です。ちょっとした「ビジネス本」のようなもの。

大手家電メーカーでマネージャーを務めているマユクのパソコンが、残業の最中にウイルス感染。でもこのウイルスの目的は、マユクを「キューブ・モンスター」から解放することだったようです。「キューブ・モンスター」とは著者の造語で、会社の中でパソコン仕事に没頭させられる区画(キューブ)のこと。

ウイルスは6時になるとパソコンを切ったり、「じぶんコーポレーションの株価を上げよ」とか、「しあわせの正味現在価値を最大化せよ」とかのメッセージを固まらせたりとやりたい放題。でもマユクは、その意味を理解していきます。自分と家族の幸せは目の前の仕事だけにあるのではなく、先送りしないで共通の時間と会話を持つことだと。

でも「ビジネス本」ですから、仕事を放り投げるわけにはいきません。「強制労働のライトを切る」ことは「古い絆」から解き放たれて「新しいひらめき」を得ることに繋がり、それが成果を生み出すという、いいとこ取りの結果に結びついていきます。そして本書は問いかけてくるのです。ウイルスはきっかけにすぎず、ウイルスが去った後も「マニフェストの持続と拡散」が重要だと。

できすぎた話ですが、「パソコンに没頭して延々と資料を作る」ような仕事のスタイルに限界があることは確かなようです。何より、仕事は楽しくやらないと、時間がもったいない!

2013/11