りぼんの読書ノート

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ボビーZの気怠く優雅な人生(ドン・ウィンズロウ)

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海兵隊あがりのコソ泥ティム・カーニーは、服役中にヘルズ・エンジェルスの男を殺害して命を狙われる身になってしまいます。そこから逃れる道は、ただひとつ。麻薬取締局の要求を飲んで、南カリフォルニア麻薬王ボビーZになりすまして、メキシカン・マフィアに乗り込むこと。

 

もちろん、そんな企てがうまくいくはずもありません。しかも味方のはずの麻薬取締局こそが、一番あくどい陰謀を企んでいるのですから。かくして、メキシカン・マフィアに麻薬取締局にヘルズ・エンジェルス、さらにはボビーZの後継を狙う男からも狙われて、ティム・カーニーの命は風前の灯!

 

それだけではありません。敵か味方かわからない謎の美女と、なぜかティムを慕ってついてきた男の子が、足手まといになってしまうんですね。でも、この2人が最後にティムを救うのです。

 

絶体絶命の窮地から脱出する鮮やかさは、『ストリート・キッズ』シリーズや、近作の『フランキー・マシーンの冬』と共通していますが、メキシコの麻薬をテーマにした点では大傑作の『犬の力』の先駈けにもなっています。楽しめる作品です。^^

 

2011/8