りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女(荻原規子)

イメージ 1

シリーズ第4巻となりますが、こんなにゆっくり物語を進めていいんでしょうか。やっと1年生の夏休みが終わって学園祭かと思ったら、1巻使って準備段階だけ!西の善き魔女のように、最後になってバタバタというのでは困ります。

ただし今回は、泉水子に憑依した姫神から、恐るべき秘密が明らかにされます。姫神はもともと人間であり、人類が滅亡する未来を変えるために過去へと旅立った存在だというのです。しかも、人類を滅ぼしたのは姫神自身だというのですから。それを姫神から聞いた深行は、人類滅亡は遠い未来のことではなく、姫神の正体は成長した泉水子ではないかと直感するのですが、どうなんでしょう。

歴史を変えようとすると、逆の力も同じように働いてバランスを取ろうとし、それが「敵」となって現われるとのこと。学園祭で対決色を深める、戸隠忍者の宗田真響と陰陽師の高柳一条の闘い、また判定者であるという穂高らの動きは、どう位置づけられていくのでしょうか。

絶滅危惧種として「レッドデータ」に載っているのは「人類」だったのですね。今後は「現在進行中の物語」と、「人類滅亡の物語」との関わりを気にしながら読み続ける必要がありそうです。

次巻までの備忘録として「現在進行中の物語」にも触れておきましょう。学園祭のテーマは戦国時代。陰陽師の高柳が、学園の内部に八王子城の亡霊を持ちこんだのは、違う層を呼び込む「依りしろ」とするためのようです。それは真響に対する罠なのか。泉水子も敵視されているのか。まさか次巻では、学園祭が描かれるんでしょうね。^^;

2011/8