りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2006/2 沼地のある森を抜けて(梨木香歩)

2月の前半は冴えなかったけど、後半は一気に充実。図書館にリクエストしていた本が、続々到着したのです。一方で、図書館の本を電車に置き忘れて紛失するという失態も。^^; 結局出てこなかったので、書店で買って返却しました。
1.沼地のある森を抜けて (梨木香歩)
叔母から受け継いだ「ぬか床」から、人が生まれてくる。突拍子もないストーリーだけど「梨木進化論」が伝えたいのは「生命の流れの最先端に立つ」ひとつひとつの命の大切さ。ただ、昔からの梨木ファンには、どう読まれるでしょうか。

 

2.ローマ人の物語14 (塩野七生)
世界帝国ローマの礎であった「寛容の精神」が失われていく! 民族大移動による国家崩壊の前に進行する「精神の中世化」。「背教者」ユリアヌスによる、多神教復活の試みもむなしく、「不寛容なキリスト教」が国教化されるまでを描いた第14巻。この大シリーズも、来年で最終巻なんですね。

 

3.褐色の文豪 (佐藤賢一)
ナポレオン軍の混血将軍の息子に生まれたデュマが、18世紀フランスの文豪に成長するまでを描いた小説。将軍であった父親の生涯を描いた『黒い悪魔』の続編です。やっぱり佐藤さんの本は、フランス歴史小説がおもしろい。

 

4.狼の帝国 (ジャン=クリストフ・グランジェ)
フランス高級官僚の妻として生きてきた日々は、偽りの記憶。突如「あなたは半年前までトルコ人だった」と宣告される。同じころ起きていた、トルコ人女性の連続惨殺事件は、実は彼女と深い関わりがあったのです。最後まで展開が読めない、アクション・ミステリー。

 

5.エンドゲーム (恩田陸)
不思議な力を持ちながら、権力を志向することなく身を潜めて生きる人々を描いた『常野』シリーズの第三弾。他人の人格を「裏返し」、逆に「裏返される」リスクを持つ拝島母娘の孤独な戦いが行き着く先は・・。「大きなことが起こりそう」という、続編が楽しみです。

 

 

 

2006/3/4