りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2005/11 蕨野行(村田喜代子)

11月には久しぶりに林真理子を2冊読んでしまいましたが、この後味の悪さは、むしろさすが。でも、Best5には入れられないかな。かえって、林真理子と交互に読んだ伊坂幸太郎の爽快感が際立ちました。今月は珍しく、日本の作家ばかり。
1.蕨野行 (村田喜代子)
7月の「人が見たら蛙に化れ」に続く、堂々2度目の月間1位。古語のような方言で歌うように綴られる、姥捨て伝説。「笛吹川」の諦念とは異なり、生にしがみつく老人たちの執念。思いもかけず、希望を感じさせるラストには救われた気分。

2.アヒルと鴨のコインロッカー (伊坂幸太郎)
引越しの翌日、隣人からいきなり本屋襲撃をもちかけられる。それは、2年前に端を発する3人の物語の最終章でした。伊坂さんが得意とする、「弱者をいたぶる悪」への復讐劇は、アッと驚く意外な展開を見せてくれますよ。

3.水滸伝19 (北方謙三)
北方さん渾身の大シリーズがついに完結。この物語には、こんな終わらせ方があったのか・・。ひとつの革命が潰えても、その意志は次の世代に引き継がれる。散り散りになった革命戦士たちが、再び集結することはあるのでしょうか。

4.魔王 (伊坂幸太郎)
ファシズムの到来を予言するかのような話題の本は、「爽快感あふれる意外な展開」を捨て去った、伊坂さんの新境地。大衆を煽動する政治家と対決する兄弟からのメッセージは、「自分の頭で考えろ。検索するのでなく思索せよ。」^^

5.2005年のロケットボーイズ (五十嵐貴久)
オチコボレ、引きこもり、オタク、不良、パチスロの王者。コンテストで「NG大賞」ものの大失敗をやってしまったのに、自費で人工衛星を作って打ち上げようとする、工業高校生たち。その理由は「楽しかったから」。青春です。^^




2005/12/4