りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

2005/12 対岸の彼女(角田光代)

12月は、良かった本とそうでなかった本が、両極端でした。「対岸の彼女」はストンと心に落ちてくれた本だけど、4位にあげた「十面埋伏」が描いた、中国政官界の腐敗が凄かった。実際には、もっと凄いことになっていそうですが・・。
1.対岸の彼女 (角田光代)
自分を殺して無理につきあわないと、ひとりぼっちになってしまう。でも、自分の欲しいのは、そんな友達じゃない。その気持ちは、多感な高校生の頃でも、大人になった今でも同じ。ほら、対岸で手を振っている彼女が、きっといるよ。

2.女教皇ヨハンナ (ドナ・クロス)
女性が教育を受けることも許されていなかった、中世初期。男装の修道士として学問を身につけ、理性と知性と誠意を武器にローマ教皇という最高位に上り詰めた、奇跡の女性の物語。それは、虐げられていた女性が作り上げた伝説にすぎなかったのでしょうか?

3.サイドウェイ (アレクサンダー・ペイン)
作家を志して書き上げた作品は出版社からボツにされるし、愛想つかされて離婚されたのに、モト妻をまだ愛している。そんなダメ男が、結婚を控えた友人とワインを飲みまくる旅に出る。ワインも人生も豊かにしてくれるのは「サイドウェイ(寄り道)」。ワインに関する会話が楽しい物語。

4.十面埋伏 (張平)
現代中国に巣食う病巣を暴いた衝撃の本。厚遇されている凶悪な受刑者に不審を抱いた捜査官が見つけたのは警察内部のみならず、政界上層幹部までを巻き込む「巨悪の不正」。本書では「正義」が勝ちまずが、実際の中国ではどうなのでしょう。農民暴動の背景などでは、小説以上のことが起きているようですが・・。

5.女系家族 (山崎豊子)
固陋な因習に縛られる、大阪船場の呉服問屋を舞台にして3姉妹と、亡父の愛人が繰り広げる、血みどろの遺産相続劇。最近ドラマ化されたそうですが、主演の米倉涼子高島礼子をイメージすると、怖いくらいの大迫力です。^^;

今月は 次点 なしです。



2006/1/9