りぼんの読書ノート

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ふくら雀-ひやめし冬馬四季綴2(米村圭伍)

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シリーズ第2作。前作で、クール・ビューティの家老の娘に懸想したことから、家老一派の悪事を暴くことになってしまったものの、全ては極秘扱いされたため、冷や飯食いの身分からの脱却は叶わなかった、下士の次男の冬馬ですが、「邪魔妹(じゃまいも)」扱いだった家老の次女の波乃からは惚れられてしまいます。

冬馬も、波乃の気性の優しさに惹かれて相思相愛となったのは良いのですが、仕官の見込みが立たないままでは結婚など遠い先のこと。波乃からは責められてばかり。

そんなところに、願ってもないチャンスが訪れます。藩主のお姫様の嫁ぎ先の家紋「ふくら雀」にちなんで、太った雀を送るとのことで、藩中の武士たちが大わらわになるんですね。小遣い稼ぎに鳥刺しをしている冬馬にとってはまさに大チャンスなのですが、先に親によって波乃との婚約を破棄された中老の長男、鳥羽新之介が恋敵として登場してきます。

この男、頭脳明晰で信義に厚く、波乃を真剣に愛している好青年なのです。新之介と結ばれたほうが波乃にとっては幸せなのではないか・・との冷や飯根性が頭をもたげてくるのですが・・。

「ふくら雀」の真相や、それを見破った冬馬が嫁ぎ先の使者から切りつけられた事情や、それらを円く収めるまでのストーリーはなかなか凝っていますし、とっても楽しめました。冬馬の仕官も目処が立ってないし、波乃をめぐる三角関係も決着がついていません。「四季綴」ですから、全4巻のシリーズなのでしょう。次巻も楽しみです。でもやっぱり、いつもの講談調のほうがいいかなぁ。

2011/3


P.S.
断水で、会社帰りに銭湯に行く生活をしてますが、洗濯に困ってます。