りぼんの読書ノート

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孔雀茶屋-ひやめし冬馬四季綴3(米村圭伍)

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シリーズ第3作です。かつて田沼意次とやりあった風見藩の退屈姫君ことめだか姫が、目高院となって再登場。それとやはり風見藩の榊原数馬老は、『風流冷飯伝』の飛旗数馬でしょうか。香奈というステキな奥方と幸せに暮らしているようなのは何よりです。

さて前作で江戸藩邸に出てきた本シリーズの主人公・海棠藩の一色冬馬は、家老の妹・奥田波乃を巡って、中老の嫡男・鳥羽新之介と恋のさや当ての真っ最中。冷や飯食いの身で分が悪い冬馬は、士分に取り立ててもらう機会を狙っていますが、なかなかチャンスは訪れません。

両国広小路で人気の孔雀の見せ物小屋に出向いた冬馬は、デート中の波乃と新之介を発見して気になっていたところ、藩主の娘の嫁ぎ先の風見藩の榊原数馬という老侍が起こした大騒ぎに巻き混まれてしまいます。将軍にご上覧予定だった白孔雀の血をひく孔雀が盗まれ、探しにきていたんですね。

冬馬と新之介は、風見藩の孔雀探索を命じられてしまうのですが、孔雀を盗んだのはどこかの大名なのか、それとも盗賊なのか・・。老中やお庭番にも顔が広い目高院も活躍します。

シリーズのタイトルが「四季綴」ですから「ラス前」でしょうか。この巻は「懐かしの人物再登場」以外はあまり盛り上がらなかったけれど、最終巻は破天荒なおもしろい展開を期待してますからね。^^

2011/12