人気狂言作者・並木五瓶と、奉行所に勤める兄を持ち、師匠の創作のために「町の噂」を集める弟子の拍子郎を主人公にした、シリーズ２作めです。前作に続いて、男女の仲の難しさをしみじみと描いたエピソードが並んでいるのですが、今回の事件は、五瓶自身にも、また拍子郎と相思相愛となりそうな、料理茶屋の一人娘・おあさにも直接関わってきて、主人公たちの関係もぎくしゃくしてしまいます。続編ではどうなるのでしょうか？
「輪廻の家」代々の婿養子が若死にする家で、当代主人に降りかかってきた事件と、夫人の浮気の真相は？ 輪廻を再生するのも断ち切るのも人の心です。
「二枚目」影の薄い二枚目役者が金を必要とする理由と、「殺人事件？」の真相は？ 若くして人気が出た二枚目役者は大成しないことが多かったそうですが・・。
「見出人」かつておあさが淡い恋心を抱いたことがある料理人が、悪妻を殺した容疑で逮捕された事件の真相は？ 見出人とは、事件の発見者のことだそうです。
「宴のあと始末」芝居茶屋で見合いをした女性が、神隠しにあった事件の真相は？ 真相は知らせないほうがいいことも世の中にはあるようです。
「恋じまい」大商店の番頭に身請けされた妾が心中に見せかけて殺された事件の真相は？ 殺された妾は、実は並木五瓶の浮気相手でもありました。妻の小でんと五瓶の夫婦仲の溝は埋まるのでしょうか？
2010/5
