イグ・ノーベル賞とは、まず人を笑わせて、考えさせる研究、絶対に真似できない、真似すべきでない業績に授与されるものであり、1991年の創設以来、今までに日本人/日本企業は13回もの受賞をしているそうです。本書でも、「たまごっち」や「カラオケ」が紹介されていますし、ちょっと前には「バウリンガル」の受賞も話題になりました。
本書では、これまでの受賞の中から23の真摯な研究や業績が紹介されています。全部は無理なので、いくつか紹介しておきましょう。
インドの死人協会:インドの某州では相続権者を不正に排除するなどの目的で、生きているのに戸籍上「死亡」とされてしまった人が何万人もいるそうです。もちろん、有力者や行政が絡んだ不正なのですが、いったん「死者」とされてしまった人たちが、「人権」を回復するための涙ぐましい運動が紹介されています。
ジャンクボンドの帝王ミルケン:紙くずになるリスクのある債権に価値を見出して売りまくった人です。この時期に世界の常識は覆りました。小さな会社がジャンク債を実力以上に発行してお金を集め、大企業を買収するケースが次々と起こったのです。もちろん最後には大半の人が大損をしたのですが、本人はかなり稼いだらしい。ただし授賞式には出席できなかったようです。刑務所の中にいましたので・・^^;
検尿の際に持ってくる容器:結論からいうと、その地域で売れている商品のボトルですって。ただし、しっかりフタができる広口のビンが好まれるそうです。当然ですよね。^^
ジッパーにペニスが挟まった患者に対する適切な処置法:もはや何の説明も不要でしょう。
シャワーカーテンはなぜ内側に膨らむのか:感心しました。従来は「ベルヌーイの定理」と思われていたのが、シャワーを浴びる際に生じる竜巻上の乱気流が原因だそうです。かなり本格的な研究です。
表紙の写真は、「対グリズリー用のボディスーツ」だとのこと。ほとんどガンダムです。^^
2009/12