りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

夫婦で行くイスラムの国々(清水義範)

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奥様はあちこち行かれていたようですが、清水義範さんは40歳近くになって突然海外旅行に目覚めたそうです。最初の海外旅行先をインドとしたのは、作家として何か思うところがあったのでしょうか。何の予習もせずに行ったインドで壮麗なタージ・マハール寺院を見学して、北インドが一時イスラム国家であったことに気づいたことをきっかけに、それ以降の旅行のターゲットを「イスラム国家」と定めます。

訪れた国は、トルコを皮切りに、ウズベキスタン、イラン、レバノン、シリア、ヨルダン、チュニジア、モロッコ、エジプトを経て最期がスペイン。さらに番外としてイエメン。キリスト教会として建造されながら後にイスラム教のモスクとされた、イスタンブールのアヤ・ソフィアを始めに見て、その逆の歴史をたどったコルドバのメスキータを最後とするというのは、本人の中では筋が通っていることなのでしょう。

なかなか個人では行きにくい国ばかりなのでほとんどがツアーなのですが、この夫婦、結構のんびりと見て回ります。あちこちへの移動はかなり強行軍のようなのですが、こういうものは見る側の姿勢次第なのでしょう。名所旧跡を訪ね歩くよりも、現地の人々の暮らしを見ることが重点なんですね。それと、その国でお酒が飲めるかどうか?(笑)

その上で、自分の思ったことを書き連ねているのが、本書をユニークな旅行記に仕立てあげています。イスラム圏の料理はトルコが一番洗練されていて美味で、それ以外の国はトルコの亜流の田舎料理と切って捨てるあたり、わかるような・・。

ただ現地の人を見るのもさることながら、それ以上に、自分たちツアー一行や日本という国や日本人がどう見られているかを気にするように見受けられるのは、やはりツアーだからかもしれませんね。個人旅行だと、そんなこと一度も気にしたことありませんから。

2009/12