りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ひかりの剣(海堂尊)

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ブラックペアン1988と同様に、やはりバチスタの栄光から20年前の物語。ジェネラル・ルージュで颯爽と登場した東城大病院の天才救命外科医・速水晃一と、ジーン・ワルツ代理母出産疑惑を追った帝華大病院の天才婦人科医・清川五郎は、学生時代に剣道で宿命のライバルだったのです。(引用著書が多くて疲れる・・^^;)

後に東城大学付属病院長となる高階講師は、「阿修羅の手を持つ」と言われる剣道部顧問として登場。でも『ブラック・ペアン』の最中ですので、ポイントを押さえるだけですね。後に同僚となる速水の同期生、田口や島津は本当にチラッと登場。この本は、医療問題とは全く関係なく、キャラを生かした剣道小説です。

となると、メスならぬ剣を持っての修行と闘いがキッチリ描けているかがポイントですが、そこの所がどうだったのでしょう。修行の部分はどこかで読んだことがあるような物語だし、後の先を取るという一刀流の極意「切り落とし」は、「明日のジョー」のクロスカウンターのようなのです。

強いて言えば2人の剣に対する態度が、将来の救急医であり、婦人科医となる2人の天才の性格を形成した・・というあたりが興味を繋ぐところでしょうか。とりわけ、清川五郎がはじめは女流剣士・朝比奈ひかりに手も足も出なかったあたりが、後に「クール・ウィッチ」曽根崎理恵に振り回されるフェミニストになった理由なのかもしれませんね。^^

2009/2