りぼんの読書ノート

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桜庭一樹~物語る少女と野獣~

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思いっきり綺麗に撮影されている表紙写真からはじまる、桜庭ファンのための企画本ですね。書き下ろし小説『ライティング』や、中学時代に書いたという『ブルマー三部作』をはじめ、単行本未収録の短編や、インタビューやQ&Aなどを集めて単行本化されたもの。

読み応えを感じたのは、少女七竈と七人の可愛そうな大人に登場した、乃木坂れなのアイドル時代のエピソードを独立した短編とした『ゴージャス』くらいで、あとはそこそこ。重松清さんによるインタビューが踏み込んだ内容でしたが、豪華な顔ぶれのメンバーからの「100の質問」は踏み込み不足。本人による3作品の解説はなくてもよかったかも。

ただ、赤朽葉家ケネディ家を意識していて、ケネディ家を「伝説」にまで高めたのは他所から入ってきた血であるジャクリーンだったはず、との指摘は興味深かったですね。万葉はジャクリーンだったのか・・。

他には直木賞受賞時の舞台裏ドキュメント「ライブ@直木賞」は愉快でしたが、かなりファン度の高い方にだけ、お奨めの本なのでしょう。

2008/11