りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

いっちばん(畠中恵)

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しゃばけシリーズ」第7弾。今日も病弱な若旦那の一太郎の願いは、人の役に立てる人間になること。一太郎と、彼を囲む妖(あやし)たちとが繰り広げる、「大江戸怪奇ミステリ」のはずだったこのシリーズも、かなり人情話が中心になってきました。

「いっちばん」
心配顔の若旦那を誰が一番喜ばす事が出来るのか。ちょっとズレた感覚の妖たちの競い合いに、義賊を気取るスリの話が絡み合います。犬には罪はないのですが・・。

「いっぷく」
回船問屋長崎屋にライバル現る! 近江商人の分家と取り扱い商品の競い合いがはじまりますが、ライバルお店の番頭は、意外な人物でした・・。

「天狗の使い魔」
天狗とキツネの争いに絡んで、天狗にさらわれてしまった一太郎ですが、自分のことより天狗のことを心配してしまいます。怖い兄やたちに見つかったら、天狗はボコボコにされちゃうこと、間違いないんですから。

「餡子は甘いか」
和菓子作りの修行で奉公に出た幼馴染の栄吉ですが、相変わらず餡子を作るのが下手で、仕事から外されてしまいます。でも、和菓子作りは好きなので「続ける才能」はあるんですよね。

「ひなのちよがみ」
塗り壁のような厚化粧だったお雛さんが、ついに薄化粧に! 素顔はとっても美人さんなので、許嫁がいるっていうのに求婚者が現れてしまいます。仲裁を求められた一太郎の解決策は?

前作ちんぷんかんの終わり方が綺麗すぎましたので、そろそろシリーズ終了かとも思ったのですが、まだ続きそうです。ただ、一太郎の病状が重くなっているようなのが気になります。

2008/10