りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

しゃばけ18 てんげんつう(畠中恵)

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このシリーズも18冊め。ひところはマンネリ感が漂って終了間近とも思いましたが、死生観を前面に出すことで打開。最近では「偉大なるマンネリ」の境地に達しつつあるようです。今回は、若だんな一太郎の許嫁於りんちゃんの実家である中屋が次から次へと災難に見舞われてしまいます。 

 

「てんぐさらい」 

長崎屋の手代を務める仁吉に一目惚れした天狗姫の花風が、一太郎の祖母である大妖おぎんに対して仲を取り持って欲しいと依頼。仁吉がずっとおぎんに片思いしているとは知らないでのことなのですが、おぎんはなんと失われた妙薬を探し出したらOKとの勝負を受けたとのこと。若だんなたちは、天狗たちより先に妙薬を見つけ出そうとするのですが、そんな時に中屋から人がいなくなってしまうという事件が起こります。 

 

「たたりづき」 

天上世界で荼枳尼天に仕えているおぎんが、同僚の仙狐と大喧嘩して、ふたりとも山奥の岩屋へ閉じ込められてしまいます。仙狐の息子の仙太はおぎんを逆恨みして、一太郎に郎に縁のある人間を祟ってやったというのですが、その相手とは於りんの父の相談相手の僧の弟子でした。 

 

「恋の闇」 

妻を亡くしていた於りんの父に再婚話が浮上。しかしその相手は美女に変身した山姥らしいというのです。その一方で、若だんなの幼馴染みの栄吉に札差の娘との逆玉婚の話が持ち上がるのですが、どうも話がかみ合っていないようです。 

 

「てんげんつう」 

天眼通とは千里眼のこと。10年前にば化け猫となった飼い猫から千里眼を譲り受けたという男が、若だんなに妙な依頼を持ち込みます。千里眼を持っているが故に見舞われる不幸から救ってくれるのは、若だんなだというのです。しかし彼はその能力を失うことを望んでいるのでしょうか。 

 

「くりかえし」 

深川で評判の桜に大量発生した毛虫を見た於りんが、寝込んでしまいます。どうやら毛虫を常世神と呼んで祀っている男たちが関係しているようなのですが、彼らの正体は何なのでしょう。その謎を解くために、若だんなは、場久の悪夢に潜り込みます。でも本当の問題は、若だんなが繰り返し悪夢を見ることなのですが・・。 

 

中屋はとんだとばっちりを食ってばかりですが、こんなことで一太郎と於りんの関係が壊れませんように。 

 

2020/4