りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

しゃばけ14 なりたい(畠中恵)

イメージ 1

しゃばけシリーズ」の第14弾です。いつものように寝込んでいた病弱な若旦那・一太郎の回復祈願のため、兄やたちの仁吉(白沢)と佐吉(犬神)は、なんと神様たちを招待してしまいます。神様たちは饗応を受けたお礼に、「来世でなりたいもの」の願いを叶えてくれるというのですが、願い事というのは怖いもの。慎重に決めないといけません。

「妖になりたい」
お店の役に立ちたいと一太郎が考案した新商品のために、蜂蜜を提供してくれるという男の要求は「妖になって空を飛びたい」というものでした。しかし人間が妖になるためには、いったん死ななければならないのです。

「人になりたい」
一太郎の親友・栄吉の修行先である菓子職人の師匠も加わっているお菓子の会で、殺人事件が起きたのですが、その死体は消滅。実は被害者は、人間になりたいと願っていた朽ちかけた地蔵様だったのです。背景の陰謀を解き明かした一太郎ですが、お地蔵様はどうするのでしょう。

「猫になりたい」
猫又たちの一大行事である「猫じゃ猫じゃ」集会の仕切り役を決めるよう、頼まれてしまった一太郎。猫又相手に商売したがっている手ぬぐい屋を審判にして勝負を始めたものの、おかしな事件が相次ぎます。どうやら、別の猫又が誰かに遺恨を抱いていそうなのです。

「親になりたい」
伊勢屋の女中が見合いをした相手には、大変な聞かん坊の連れ子がいました。実はその子は妖だったのです。その子につきまとう「動く影」の正体と、もう一人現れた父親を名乗る男の正体は何なのでしょう。最後は心温まるハッピーエンドでした。

「りっぱになりたい」
長患いの末に亡くなった近所の大店の若だんなが、幽霊になって現れます。親を安心させるために「立派な者として生まれ変わる」ことを夢枕で伝えたいのですが、何が立派なのか一太郎に考えて欲しいと言うのです。一太郎も身につまされる問いですが、そんな時に幽霊の若だんなの妹が攫われるという騒動が・・。

さまざまなことを思い浮かべた一太郎が、最後に決めた願い事とは何だったのでしょう。なるほど、ここからえどさがしに繋がるのでしたか。

2017/7