りぼんの読書ノート

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楊令伝2(北方謙三)

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遼からの独立戦争に突入した女真族のもとで、幻王として残虐の限りを尽くしていた楊令が、ついに、かつての仲間たちのもとに戻ってきます。一方、江州では方臘が宗教団体をベースとした大規模な反乱を企て、さらに南方では小規模ながら梁山泊の旗が再び掲げられるに至ります。

物語は動き始めました。かつての百八星の同志たちの生き残りに加えて、ジュニアたちの世代も集まりつつあります。前回ヘタレだった花飛燐(花栄の息子)も、王進のもとでともに修行する張平(張横の息子)に対して友として心を開き、李媛(李応の娘)や祖永(杜遷の甥)も登場。

今回一番衝撃的だったのは、北宋末期の悲劇の将軍、岳飛の登場です。まだ義勇軍に加わる前の、野盗を追い回しているハイティーンの少年で、楊令と一瞬合間見えるものの、相手にもされないで終わりますが・・。

岳飛の登場で、おおよその年代が特定できました。すると、遼の滅亡まであと数年。北宋の滅亡まであと10年程度。虚実あいまって展開する、水滸伝第二章。北方ロマンワールドの、次の展開も楽しみです。

2007/9