りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ナラタージュ(島本理生)

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若い読者に人気の、現役女子大生作家の書いた恋愛小説。

「張り詰めて、そらすこともできない20歳の恋」とあるけど、こんな恋愛が「純愛」として、若い読者には人気があるのでしょうか。読後感は、とっても悪かった。もう、この作家の本は、読まないな。

大学2年の春、高校時代に想いを抱いていた先生から電話が来る。過去を引きずっている先生なのに、想いを断ち切れない。彼を忘れるためにつきあい始めた学生とも、うまくいかない。結局、彼女は、先生と想いを遂げ、一生忘れられない存在へと昇華させてしまうのです。

途中つきあった学生には若い男性の傲慢さと弱さを、先生には大人の男性の狡さと弱さを感じてしまいます。そんなものを、そのまま受け入れて振り回されるなんて、「純愛」でもなんでもない。主人公には、情けなさしか感じられません。せめて「若気の至り」として、そんな恋愛は振り切ってくれよ! まだ21歳の作家に、そこまで望んでも無理かなぁ。

2006/8