りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

東京バンドワゴン(小路幸也)

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「たくさんの涙と笑いを届けてくれたテレビドラマへ」とあるように、ひと昔前のテレビドラマへのオマージュなのでしょう。東京下町の古本屋「東京バンドワゴン」の大家族が繰り広げる、ちょっぴりミステリーの入った、ほのぼのホームドラマです。

当主は家訓遵守の一徹爺さん、勘一。その息子は60歳になる「伝説のロックンローラー」我南人。さらには、孫や曾孫と、4世代10人の大家族に加えて、常連さんやご近所さんも加わって、楽しい世界が繰り広げられます。

お約束のように毎回登場する、会話が入り乱れての食事風景。家族の過去が明らかになる場面では、ホロリとさせてくれる。トラブルが起きても、人情味あふれる人間関係で丸く収まる。古本屋が舞台なだけに、毎回「本」がからんでくるのが趣向ですね。

となると、配役を考えてしまいます。「LOVE」が口癖の我南人は、内田裕也で決まり! 近所のスナックのママさんは、ちょっと前の篠ひろ子。孫や曾孫の世代は・・誰でも出来そうだから、どうでもいいか(笑)。

ただ私はどうも、この文体についていけませんでした。5年前に亡くなり、天国から一家を見守るサチ婆さん(勘一の妻)が語るのですが、丁寧に相槌を求めてくる口調には、背中ムズムズ。苦手な文体という点味では、読者を小馬鹿にしたような印象を与える荻原浩と双璧かも。^^;

2007/6