りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

鹿男あをによし(万城目学)

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女子高教師、剣道スポコン、古代歴史ロマン、人知れず世界を救う話・・と並べると、どこかで聞いたことがあるような話ばかりですが、「奈良」を舞台にして、世界遺産の「鹿」をからめ、「坊ちゃん」のテイストを振り掛けることによって「読ませる」物語に仕上がりました。万城目さん、デビュー作の鴨川ホルモーよりずっと上手になってます。

神経衰弱を理由に大学の研究室を追われ、2学期限定で奈良の女子高に赴任してきた28歳の青年教師に、鹿が「びい」と、話しかけてきます。なんと、彼は鹿の「使い番」に選ばれてしまったのです。任務に失敗すると、鹿になってしまうというペナルティ付きで。^^;

「使い番」の仕事とは、奈良の鹿、京都の狐、大阪の鼠の間で、太古のヒメミコの時代から、60年に一度受け渡しされている「目」とか「サンカク」とか呼ばれているものを持ってくること。今年は、京都の狐から奈良の鹿へと受け渡しをする年だったんですね。これがないと、地下の大ナマズを三点で押さえ込んでいるタガが緩んで大地震が起きてしまうというから、責任は重大!

任務は簡単なはずでした。狐の「使い番」に選ばれた、京都のマドンナ先生から「サンカク」を受け取ってくるだけ・・だったのに、謎の邪魔者が登場して大混乱。かくなる上は3女子高対抗戦で勝利して「サンカク」と呼ばれている優勝盾を手に入れるしかない???

突拍子もない話だけど、ゆったりとした時間が流れ、古代の香り漂う「奈良」での出来事と思えば、許せちゃうのが不思議です。鹿顔にはなりたくないけど、「マイシカ」・・欲しいです。^^

2007/6