りぼんの読書ノート

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チンギス紀 1(北方謙三)

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「大水滸伝シリーズ」完結から2年、満を持して新シリーズが始まりました。南宋・金・梁山泊の三つ巴の戦いから身を引かされて北方へと去った胡土児は、どのようにモンゴル族の英雄と関わっていったのでしょう。「岳飛伝」の最後が1150年ころで、チンギス・カンの誕生が1162年なので、ギリギリ繋がっていきそうです。

 

物語は、父親イェスゲイがモンゴル族の統一を目論みながらタタル族に殺害され、チンギスの一族が消滅の危機を迎えた場面から始まります。当時まだ10歳であったチンギスは、キャト氏族の長となるには幼すぎたのです。ある事情から異母弟ベクテルを討ち、台頭してきたタイチウト氏を避けて南の地へ向かったチンギスは、そこで何を得たのでしょう。

 

悪辣な商人に奴僕とされていた少年ボオルチェを救って砂漠を超え、大同府では商人・蕭源基(蕭炫材と関わりあり?)のもとで働きながら史記を学んで国家観を養い、大人として認められる15歳となってモンゴルの地へと戻るチンギスの活躍が、いよいよ始まります。

 

チンギスの留守中に母ホエルンのもとに滞在するようになったジェルメは、胡土児の薫陶を得ていたのでしょうか。モンゴルの小族ジャンダラン氏を率いるであろう、同年代のジャムカとの関係がどのように築いていかれるのかも気になります。

 

2019/5