りぼんの読書ノート

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カラヴァル(ステファニー・ガーバー)

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年に一度開催され、勝者はひとつだけ願いを叶えてもらえるという魔法ゲーム「カラヴァル」。母が亡くなってから毎年、カラヴァルへの参加を望んでいた少女スカーレットのもとに待ち望んでいた招待状が届いたのは、父親に決められた結婚式の1週間前のことでした。

参加をあきらめようとしていたスカーレットですが、奔放な妹ドナテラと船乗りの青年ジュリアンの策略に乗せられる形でカラヴァルに参加。しかし開催場の島に到着する直前にドナテラは姿を消してしまいます。そして主催者レジェンドから届いた手紙は、今年のゲームは行方不明になったドナテラを捜索することだと告げていたのです。

娘たちの人生を支配している厳格で残虐な父親の存在。政略結婚の相手にスカーレットを望む伯爵。どうやらただの船乗りではなさそうなジュリアンに抱いた恋心。そして妹への愛情。カラヴァルの主催者レジェンドの目的も信用できなくなる中で、不思議の国を彷徨うスカーレットは、妹を救出できるのでしょうか。そして彼女の望むべきこととは何なのだったのでしょう。

と2018年本屋大賞翻訳小説部門で第1位となった作品ですが、少々期待外れでした。ファンタジーなので魔法的空間に誘われることは当然であるにしても、物語の展開に合わせて都合よく変わる設定に必然性を感じられなかったのです。本書は、世間知らずの少女の恋愛小説として捉えるべき作品なのでしょう。

2019/3