りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

ロボット・イン・ザ・ガーデン(デボラ・インストール)

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AIの開発が進み、モデルチェンジを繰り返すアンドロイドが家事や仕事に就いている近未来のイギリス。親から譲り受けた家と遺産で漫然と過ごしている34歳のベンと、法廷弁護士でキャリアウーマンのエイミーの夫婦関係が崩壊寸戦になっているところに現れたのが旧型ロボットのタング。

ガムテープで補修してあるレトロな姿で、自分の名前しか言えないタングに「何か」を感じたベンは、タングを治してあげようと、造り主を捜してシリコンバレーへ。しかしそれは、ヒューストン、東京、パプアニューギニアへと続く世界一周の旅になってしまいます。そんなベンに愛想を尽かしたエイミーは離婚を決意。

ところがタングは見た目とは異なり、学習能力と感情を持つ唯一無二のロボットだったのです。そんなタングが、何もできない赤ちゃん状態から成長していく様子は、まるで人間の子供が育っていくようです。そしてタングとの2人旅によって、両親の死から立ち直れていなかったベン自身も再生を果たすのです。ベンは、タングの親になることによって、親離れできたということですね。

そんなベンは、エイミーとやり直すことができるのか。タングを手放すことにならないのか。近未来のAIが登場する作品ですが、かなりベタなヒューマン・ストーリーでした。

2018/4