りぼんの読書ノート

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プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する(ゲイル・キャリガー)

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英国パラソル奇譚シリーズのアレクシアの娘、プルーデンス(通称ルー)が活躍する新シリーズのスタートです。

吸血鬼や人狼などの異界族と人類が共存する19世紀の英国。ワンタッチで異界族の能力を奪ってしまう「ソウルレス」のアレクシアは、狼男である夫のマコン伯爵とともに「陰の議会」の一員として女王の相談役についています。母親の能力を進化させて異界族の能力を奪い取ってしまうルーが、養父の吸血鬼アケルダマ卿から受けた依頼は、大英帝国統治下のインドでの紅茶調査任務でした。

テントウムシ模様の飛行船に乗り組んだ仲間は、アレクシアの親友で前シリーズ最終作で吸血鬼女王に変異したアイヴィの双子の姉弟のプリムとパーシー。機関長は女発明家ジュヌビエーヴの息子のケネル・ルフォー。インドで合流する人狼団の女ボスが、3シリーズ連続登場のシドフィーグ。

インドに向かう途中で出会うのが、雌ライオンと謎の美女セクメト。彼女はルーが秘密のメッセージを託されていると思い込んでいるのですが、ルーには覚えがありません。そしてインドでは、土着の残虐な吸血鬼が徴税吏として雇われていて、英国軍の准将夫人が誘拐された事件は、どうもそのことと関係がありそうなのです。

イギリスの異界族と協定を結んでいる英国女王ですが、どうやら異界族は世界中に存在しているようです。ルーの紅茶探索は、大英帝国とインドの異界族を結びつけることになるのでしょうか。19世紀の帝国主義植民地主義的な部分が鼻に着く部分もあるのですが、そういう趣向のスチームパンクですので、そこはスルーしないといけないのでしょう。

2017/10