世界的な指揮者を父親に持つ高校生の和音は、5年前の両親の離婚以来、父親には心を閉ざしたまま。かつてチェロ奏者だった母親から教えてもらったチェロにも、ずっと触れていません。そんな時、ボストンに招聘された父親と入れ替わりで、新しい母親と名乗る女性・真弓がやってきます。ティンパニにように騒々しく、型破りな真弓に振り回されてばかりの和音でしたが、次第に頑なだった心がほぐれていくのを感じるのでした。
ここまでは良かったのですが、16歳の誕生日に実母からの手紙を貰ってからの展開が、あまりにも露骨で上滑りしています。両親の離婚の真相、実母が罹った不治の病、やはりチェロ奏者だった真弓と実母の関係、さらに真弓を襲った不幸、そして和音は再びチェロを手にするのです。2人の母親のために・・。
こういう強引な展開には、引いてしまいます。
2017/6