『逆説の日本史』の著者による、古寺鑑賞の入門書です。三大ポイントである「仏像、建築、庭園」を鑑賞するための知識や視点が、著者の実体験に基づいて平易に説明されています。
実践編に登場する、金閣寺、千本釈迦堂、永観堂、東寺、東大寺、興福寺、新薬師寺、西ノ京、斑鳩、山辺の道、北琵琶湖の向源寺、湖南の善水寺、鳥取の三徳山三仏寺などの寺院は、すべて近年に訪れた場所なので、実際の様子を思い出しながら読むことができました。さすがに九州の国東、臼杵、四国遍路などは未見なのですが。
長くなりますが、著者が巻末に挙げた「訪れておきたい古寺一覧」をリストにしておきましょう。まるで「井沢元彦バージョン」の『百寺巡礼』のようです。訪問した寺院は「太字」にしましたが、四国の八十八カ所を別にすると「34/68」なので、ちょうど半分です。次は著者が「海の京都」と呼ぶ小浜に行ってみたいですね。
2017/6