りぼんの読書ノート

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GOSICK 7 薔薇色の人生(桜庭一樹)

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外の世界で「2度目の嵐」が迫りつつある中、ソヴュール王国のオカルト省の首魁である父親のブロア侯爵によって、首都ソヴレムに召喚されたヴィクトリカ。彼女を心配して後を追う一弥。ついでにセシル先生と寮母のゾフィ。

ブロア侯爵の狙いは、王国最大のスキャンダルにして謎であった、王妃ココ=ローズの死の真相をヴィクトリカに解かせることでした。フランス王室から1897年に嫁いできた王妃を殺害した下手人を暴きだすことは、その後の世界情勢に影響を与え得るという判断だったのです。

国民からは熱狂的に愛されたものの、夫のルパート陛下との関係は良好とは言えなかった王妃は、1900年の死産の後はカントリーハウスに籠り、さまざまな矛盾した噂を振りまいた後に、1914年に謎の死を遂げています。一方でヴィクトリカは、「下町のブルーローズ」と呼ばれるほど王妃に似ていた踊り子が、1900年に謎の失踪を遂げていることを発見。

もちろん「混沌の欠片」を手に入れたヴィクトリカが、謎を解けないわけはありません。しかし、命の危険を招きかねない真相を父親に告げるかどうかは別のことなのです。おまけのようなラストの展開は、本当に意表をついてくれましたが。

物語の途中に挿入されるコルデリアの回想は、ヴィクトリカの誕生に至る経緯を明らかにさせてくれます。そして自分の娘を気遣いながらも信頼していることも。彼女たちの運命は、「嵐」の中で翻弄されてしまうのでしょうか。それとも・・。次の第8巻は、シリーズ最終巻になります。

2017/5