りぼんの読書ノート

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GOSICK 8 神々の黄昏(桜庭一樹)

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ゴスロリ姿の天才少女ヴィクトリカと、留学生の一弥を主人公とする「ゴシックミステリ・シリーズ」の最終巻です。

クリスマス当日、ヴィクトリカが一弥に求めたのは、15個の謎でした。それは、彼女にとっては「2度目の嵐」の到来時期を予測するための真実の断片収集だったのです。自分の運命と一弥との別れを正しく予感したヴィクトリカは、自らの身体にある情報を刻み付けるのでした。

果たして世界大戦が勃発。ヴィクトリカは非情な父親であるブロワ男爵によって幽閉され、薬漬けにされてしまいます。彼の目的は、彼女の超頭脳を用いて未来を予測させ、ソヴュール国の命運を決める舵取りをすることだったのです。グレヴィールは妹ヴィクトリカの見張り役につくことを強制されています。コルデリアは、盟友ロスコーとともに娘の救出に向かうのですが・・。一方の一弥は強制帰国させられ、祖国で徴兵されて戦場へ。2人が嵐を乗り切って、再会する日は来るのでしょうか。

古き世界に大いなる喪失と変化をもたらして、「2度目の嵐」も去っていきます。生き残った者。命を失った者。傷ついた者。新世界では生きられない者。再び立ち上がる者。物語は新しい世界で、再開の日を待っているようです。

2017/6