りぼんの読書ノート

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隣りのマフィア(トニーノ・ブナキスタ)

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覚えがあると思ったら、2013年に米仏合作映画「マラヴィータ」として映画化された作品でした。監督がリュック・ベッソンで、ロバート・デ・ニーロミシェル・ファイファーが夫婦役というのですから、豪華なもの。出張中の機内で見ていたのですが、映画ではわからなかったパロディに気付いたりして、楽しく読めました。

ノルマンディーの村に引っ越してきたアメリカ人家族には、秘密がありました。父親のフレッドは、裁判でファミリーのドンを売って証人保護プログラムのお世話になっている、元マフィア幹部だったのです。アメリカ国内では身の安全が保障できないということで、フランスまでやってきたのでした。

家族の面々は、フランスでの生活に溶け込もうと努めます。妻のマギーはボランティア活動をしながら近所緒情報収集。娘のベルは美貌で高校のアイドルに。息子のウォレンは策略で中学の同級生たちのボスになるのです。しかも、いざという時には実力行使もいとわない強引さ。

ひとり鬱々としていたフレッドでしたが、タイプライターを発見したことから、自叙伝を書き始めます。一度も文章を書いたことがないのに、実体験に基づくエピソードには味があり、作家と偽ってその一端を近所の人たちに披露したら、たちまち人気者に。しかし、偶然の積み重ねによって刑務所内のマフィアのボスに居場所がバレてしまい、ヒットマンの一団が送り込まれることに・・。

フランスでの映画タイトル「マラヴィータ」とは、一家の愛犬の名前です。映画ではシェパードだったでしょうか。フレッド一家からは愛されていますが、「ファミリー対ファミリー」の戦いでは悲惨な目に遭ってしまいます。しかし彼だって、きっちり落とし前をつけるのですから、さすがなものですね。

2017/1