りぼんの読書ノート

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ロード・トゥ・パーディション(マックス・A・コリンズ)

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アメリカ版「子連れ狼」とでもいうべき内容の本書は、2002年に映画化されています。

禁酒法と恐慌でマフィア勢力が力を増した1930年代。舞台となるロックアイランドは、シカゴから西に300kmほどのアイオワ州との州境にある町。妻と2人の息子とともに暮らすマイケル・サリヴァンは、善き家庭人である一方で、アイルランド系マフィアに仕える殺し屋という裏の顔を持っていました。

サリヴァン一家はボスのジョン・ルーニーから家族のように愛されていたのですが、不出来なボスの息子のコナーの陰謀によって、妻と次男が殺害されてしまいます。あくまでも実の息子を守ろうとするボスに対し、父親は10歳になる長男を連れて、復讐の旅に出るのですが・・。

タイトルは、母親を失った長男を叔母が住むパーディションの町まで送り届ける道筋のこと。直行すれば1日もかからない距離なのですが、親子がたどり着くまでには何日もかかりました。そしてその間に、長男の子供時代は終わることになったのです。

ロックアイランドのルーニー・ファミリーが、シカゴのカポネと協力関係にあるものの独立した勢力だったことがポイントでした。ドライで情け容赦ないシカゴ・マフィアに対し、ルーニーサリヴァンのようなウェットな旧勢力は、いずれ姿を消す運命にあったのでしょう。映画版では、最後まで息子に人を殺させなかった父親役を熱演した、トム・ハンクスが印象に残りました。主役なので当然ですが。

2017/1